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DesignMASAKI.TAKAHASHI ブログ

ランドスケープデザインとは

2025.04.07

ふと立ち止まったときに目に入る緑の風景、やわらかな光を受けて揺れる木々、季節の花が咲く道端や、公園のベンチに差し込む木漏れ日——。そんな何気ない風景の中に、人の心を癒す力があることに気づいたことはありませんか。

実はこうした屋外空間の多くは、ランドスケープデザインという視点から丁寧に設計されています。

ランドスケープデザインとは、建物の外に広がる空間を、人と自然の関係性を大切にしながら、美しく、心地よく、そして機能的に整えるデザインのことです。住宅の庭、公園、街路、商業施設の外構、学校や病院の敷地、あるいは屋上や壁面緑化まで、その対象は多岐にわたります。

都市が便利さとスピードを手に入れる一方で、私たちの暮らしはどこか自然との距離を感じるようになりました。そんな今だからこそ、緑に触れ、外の空気の中で過ごす時間が人の心身を整え、街の魅力を高め、地域のつながりを生み出す力として、改めて注目されているのです。

ランドスケープデザインは単なる景観づくりではありません。人が安心して過ごせる動線、四季を感じる植栽、地域らしさを表現する素材の選定など、細やかな配慮の積み重ねで成り立っています。一つひとつの要素に「なぜそうするのか」というストーリーがあり、そこには設計者の深い思いと、使う人へのやさしさが込められています。

そして今、私たちの会社も創業から12年という節目を迎えました。

ゼロから始まり、理想を語り合いながらひとつひとつの風景を築いてきた日々の中で、スタッフが独立し、志を持った新たなデザイナーが加わり、ようやく私たちが描いてきた夢に少しずつ手が届くようになってきたと感じています。

ランドスケープを通じて、ただ形をつくるのではなく、人の心に残る風景を届けたい——。そんな想いが、今もこれからも、私たちの原動力です。

私たちが目にする風景の多くは、無意識のうちに心に影響を与えています。そしてその風景が、未来の暮らしやまちの文化をつくっていくのです。

ランドスケープデザインは、人と自然をつなぎ、今とこれからを美しく結ぶ、“生きたデザイン”。そんな風景があることで、日常はもっと豊かになり、世界は少しやさしくなるのかもしれません。

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